ちょっと前の話ですが、「死ぬまでにしたい10のこと」という映画を見ました。
職に恵まれない夫と幼い娘2人をかかえ、清掃パートをしながら家庭をささえる23歳のアンは、トレーラー暮らし。
若い彼女は、或る日突然、死を告知されます。
動揺しながらも取り乱すことなく、彼女は自らの死の期限を他言せず、静かに受け入れます。
そして、死ぬまでにしたいことを、ひとり夜のカフェでメモにしたためます。
毎日娘に愛してるという。
永年あっていない刑務所暮らしの父親にあう。
娘の誕生日にメッセージをおくる。
娘の次の母親をみつける。
家族で海へ行く。
夫以外の男と恋愛する。
果たして彼女は、そのとおりに実行していきます。
家族と海へ行くことはかないませんでしたが、
コインランドリーで出会った男と烈しい恋におち、
父親にも会いに行きます。
娘の毎年の誕生日メッセージを録音したし、
そして、娘がなつくうえに夫にも似あう素敵な女性をつれてくることも。
ラスト、アンは自分の死後を垣間見るような、自分のいない家族の風景をみつめながら
とても静かに息を引き取ります。
これは号泣しました。
女性として、すごく共感できるアンの願望。
淡々とそれらをかなえる彼女の姿に、なけてきました。
最期に、アンの死後の周囲の人々の様子がながれるのですが、
それぞれが彼女が望む生活をしていて、またまた涙しました。
なによりせつないのが、アンが行けなかった海へ
彼女の死後、娘、夫と、そしてアンがひきあわせた女性が
出かけようとするワンショット。
じつは「死」とは日常であるんだな。
アンはたまたま若くしてなくなったけど
いつかくる私の死にも潔くむきあって、悔いのない毎日を送ろうと思いました。
この映画、原題は「my life without me」っていうんですけど
邦題よりこっちのほうがいい気がする・・・。
悲しいけど前向きになる良い映画でした。